平成28年度 (第39期) 事業報告書
1.事業の状況
1.資料(民具、文書、図書、写真、映像、その他の資料)の整理・調査・研究(第1号事業関係)
(1)民具資料の内、国指定重要有形民俗文化財「山袴コレクション」(モンペ(紋平)・タッツケ(裁着)・カルサン(軽衫)など)の調査、記録、展開図の作成を継続して行い、併せてデータベース化を行った。
(2)民具研究のパイオニア宮本勢助の年譜作成、「日記」の調査、研究の内、「日記」の調査を継続して行った。
(3)文書資料の内、宮本勢助、馨太郎の書簡類の整理、点検、調査を継続して行い、併せて、データベース化を進めた。
(4)購入図書資料の内、定期刊行物、研究書類の調査、記録作成を継続して行い、併せて、データベース化を進めた。
(5)映像資料の内、8ミリの宮本瑞夫映像作品27点の点検、調査を行い、デジタル化、DVD化の準備を進めた。
(6)写真資料の内、宮本馨太郎撮影の写真アルバムを点検、調査し、併せて、デジタル化、データベース化を進める。
(7)写真資料の内、福沢八重子旧蔵「歌舞伎古写真」類の整理、点検、調査を行い、併せて、データベース化を行った。
(8)「絵巻に見る“民具図像”の史料整理と体系化ー絵画史料と文献史料の照合を目的とする民具データベースの構築ー」の調査、研究を継続して行った。特に『和名類聚抄』収載の物質文化資料に対応する絵巻等の絵画史料、文献史料を収集し、データベース化を行った。
2.資料(民具、文書、図書、写真、映像、その他の資料)の公開(第2号事業関係)
(1)「物質文化研究資料館」の開館・運営を行った。
開館日 毎週月・火・金・土曜日(当分の間)
開館時間 午前10時30分から午後4時30分まで
(2)ホームページ「http://www.miyamoto-kinen.org/」の公開・運営を行った。
(3)平成28年10月15日 日本基督教団 根津教会に於いて、開催された根津映画倶楽部主催の「第14回ホームムービーの日 谷根千」に、財団所蔵の映像資料の内、宮本馨太郎撮影の映像「瑞夫の誕生」を提供し、上映した。
(4)平成29年7月26日 渋沢史料館学芸員 永井美穂氏(民俗学)によるアチック・ミューゼアム(現神奈川大学付属 日本常民文化研究所)の「昭和9年5月の隠岐調査」の調査・研究に、写真・調査ノートなど、財団所蔵の関係資料を提供し、協力した。
(5)平成29年9月2日 イェール大学院生 森末典子氏(映画学)、根津映画倶楽部 飯田定信氏の調査・研究に、雑誌「小型映画研究」など、財団所蔵の関係資料を提供し、協力した。
(6)平成29年2月25日 財団のミニミュージアム準備室に於いて、ニワの文化研究所との共催で、「第5回 宮本フィルム研究会『我が家の記録』を開催した。
(7)平成29年7月29日 財団のミニミュージアム準備室に於いて、ニワの文化研究所との共催で、「第6回 宮本フィルム研究会『東京の水辺 不忍池と隅田川』を開催した。
(8)平成29年2月9日放送のNHK総合「ファミリーヒストリー 夏木マリ 仰天ルーツ 八丈島漂流の外国人?」に、昔の八丈島の映像イメージとして、宮本馨太郎が昭和6年に撮影した映像「島の生活 八丈島の記録」を提供、協力した。
(9)平成29年6月3日放送の読売テレビ「ウェークアップ ぷらす」に、昔の八丈島の映像イメージとして、宮本馨太郎が、昭和6年に撮影した映像「島の生活 八丈島の記録」を提供、協力した。
3.物質文化に関する調査、研究に対する助成(第3号事業関係)
(1)台東区教育委員会学芸員 伊藤宏之氏の「中・近世の東国における金石文資料の総合的研究」に助成を行った。
(2)社団法人ビジュアルフォークロア調査員 山上亜紀氏の「宮本馨太郎が歩いた場所‐映像に残る風俗の変化を追う‐」に助成を行った。
4.紀要の刊行(第4号事業関係)
紀要『物質文化研究 第5集』として、宮本馨太郎の『映画断章―映像民俗学事始め―』の編集・刊行の準備を継続して行った。
5.その他の必要な事業(第5号事業関係)
(1)文京区根津1丁目1番19号「根津宮本ビル」2階に、財団付属のミニ・ミュージアム「かぶりもの きもの はきもの博物館」準備室を設置し、資料の充実・整理、展示の準備などを継続して行った。
(2)代表理事宮本瑞夫の傘寿を記念して、『宮本瑞夫先生 傘寿記念論文集』の刊行を企画・検討した。